サウス・オーストラリア生活雑記





    2月号

    山火事注意 Bush Fire


     暑い日が続き、キャンプやハイキングなど行楽を楽しむ季節がやってきました。しかしオーストラリアの夏は楽しみと同時に火事に対する用心が必要なときです。
     1997年11月末にNSW州北西部で起きた山火事は17万ヘクタール以上の林を焼き尽くし、1998年元旦の夜、やはりNSW州南海岸で雷が元で起きた火事は、消化に当たっていたベテラン消防士が焼死し、けが人を出すという事態になりました。そして1月はじめにはキャンプファイヤーが原因と考えられるVIC州の火事が大自然に大きな被害を与えています。

     オーストラリアの夏は気温が35〜40度まで上がり、更に強い熱風が吹くことがあります。元旦にNSW州でおきた山火事も突然風向きが変わり、南から時速120キロメートルの風が吹き始めたために死者が出たという事でした。加えて乾燥度の高い気候と原産のユーカリプティス(ガム)の木が非常に燃えやすい特質を持つことが火事が広がりやすい原因だといわれています。

     SA州では1983年に起きた「ブッシュ・ウェンズディ」と呼ばれる山火事でアデレード・ヒルにある土地が広範囲に焼かれ、マウント・ロフティ展望台の周囲の木は今でも火事で焼きただれた跡が残っています。また今年はエルニーニョ現象による異常気象で1997年12月1日〜1998年4月30日まで火事が起こる可能性が非常に高いといわれています。山火事はオーストラリアにしか生存しない貴重な動植物を焼き殺し、このすばらしい自然を破壊します。

     天災で起こる火事は時に人間がコントロールできないこともありますが、私たちが自ら注意できることもたくさんあります。SA州では12月はじめから4月30日まで火気危険期間となっています。気温が高く強風の吹く日は火事が起きたとき、コントロール困難となるため完全火気禁止令が出されます。これは夜中の12時から24時間適用され、ラジオまたはテレビで放送されます。この日はキャンプ場での火気取り扱いに制限がでます。バーベキューは30cmの深さの溝があり1平方メートル未満の大きさに整備された料理用施設において周囲4メートルから火が燃え移る可能性我のあるものをすべて取り除いた状態で、十分な水または消化器があり、火を使っている間はそばを離れないという条件でのみ使用可能となります。もちろんキャンプファイヤーは禁止です。
    またタバコの吸い殻は決して捨てず必ず完全に消し、自分でもって帰るよう心がけてください。各公立公園やキャンプ場によって条件が異なりますので、十分に確認をとってから出かけることをおすすめします。


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