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インターネットについてインターネットについて(3)
1997年当時のインターネットの状況(2)
(承前)
その他、インターネットに関しては、ブラウザがどんどん進化して新しいタグ(画面上での効果を指定するコマンド)が開発されるのはいいですけど、ネットスケープとエクスプローラで互換性が乏しいのは何とかならんのだろうか。例えば、テーブル内に着色することは、エクスプローラだと2.0から出来るけど、ネスケだと3.0以上でないと出来ない。これ使えるとタイトルとかかなり便利なんだけどね。
例えば、
というのは、ネスケの2.0だと
にしかならない。
だから、本当は、
のように文字を白抜きにしてカッコ良くしたくても
ブラウザによっては
にしか見えないわけですね。当初これに気付いて愕然として、全部書き直しになったこともあります。これが出来ると、画像じゃないので素早く表示されながらもカラフルに遊べて便利ではあるのですが。こんな感じに、
これに類することは多々ありまして、たとえば下の表の枠に色(青と緑)がついて見えるブラウザと見えないブラウザとがあるでしょう。
しかし、こんなのはまだマシな方で、ネスケとエクスプローラーの見え方の違いでもっとヒドイのは、一行開けるときの間隔が違う、一段下げるインデントの下がり方の程度が違う、表の横に文章を配列するときの間隔が異なり、違うブラウザでは支離滅裂なレイアウトになってしまう、などなど。「ええ加減にせんかい」と言いたくなるくらい違う。
だいたい、全員が全員最新のブラウザを持ってるわけではないですし、カウンターデーターによれば(アクセスしてくれた方のブラウザの機種も表示される)、まだまだ2.0ユーザーは多いです。最近3.0代が増えたとはいえ、まだ半数くらいが2.0代で、1.0代の人もおられます。たかだか画面がちょとカッコいいだけの為に、来てくれる人にブラウザ指定するほどのものでもないでしょう。だいたい、多くの人が最新式の化け物マシンを揃えているというのは日本に特有な話で、多くの国ではそこまで機材に凝らないという説もあります。だもんで、どんなにブラウザの開発が進んだとしても、やる側としては、初期マシンの人にも見えるように配慮しなきゃならないから、結局あんまり意味ないんですね。
ホームページやってて恐いのは、自分のサーバーがトロいんじゃないのか?という不安です。徹夜してコンテンツを作り上げ、サーチエンジンに登録し(全部登録してると半日以上の作業になる)、やっとの思いで来てもらったのに、「回線遅くて全然表示されないや、他にいこ」なんて行かれた日には情けなくなります。それを避けるために、多少見てくれを犠牲にしても画像を減らし、シンプルな構造にしようとしてるのですが、なんぼ努力してもサーバーが貧弱だったら、ザルで水汲んでるようなものです。
しかも恐ろしいのは、自分は自分のサーバーに接続してるから、自分のホームページは最速で表示されることですね。つまり自分ではパッと快適に表示されてていても他のサーバーから見に来てくれる人にとってはどう表示されるか分かったものではない。うちの場合、メインサーバー(仮にAとします)の他に、他のプロバイダ(Bとします)のIDも取って検証してみましたが、もうこのBに繋いでからAにある自分のサイトにいこうとすると、すごい激遅。「げげ」と思って、大急ぎでBにもホームページ作って、全く同じ内容のものをUPしたり、「ミラーサーバーあります」表示もド頭につけたりして対処したわけですが、意外にBまで見に来る人は少ない。よ〜く注意してみると、同じBサーバーに接続してる人だけが、当然のことでしょうが、僕と同じ状況(Aは重くBは早い)になってるから、見に来てくれてる、と。じゃあ、他のサーバーから見にくる分にはAというのはそんなに重くないのかな?と。僕らの場合「見えないカウンターは」ページの一番最後につけてるから、最後まで表示されないとそもそもカウンターが作動しないわけですし、また同じ人のページ間移動の時間を見てても、それほど表示に時間が掛かってる様子もないし。うーむ、別にAでいいのかな?と考えこんでいます。
しかしですね、早いサーバー、遅いサーバーと言っても一概にアテにならないそうですね。一つには、サーバーとサーバーを繋ぐ途中の回線(詳しいことは知らないがいろいろな所を通っていくらしい)でどこか一ヶ所でも細いところがあったら、いくら入口と出口のサーバーがスカスカでも重くなるとか?そうなんですか?もしそうなら手の打ちようもないのでしょうか。
実際、他人のホームページに行くにしても、Bから接続しやすいところ、Aから接続しやすいところと、それぞれに違います。僕は、日頃は前述のBサーバーを使用してますが(Aは設備はいいが従量制料金なので、単にホームページデーターを置いておくだけのために使用し、一般の利用は固定料金制のBという具合に使い分けている)、Bから接続しにくいサーバーとしては、日本ではベッコウアメサーバーですね。「見てみようかな」と思っても、アドレスにBEKKOAMEとか表示されてたら「やっぱ、やめ」と諦めてます。ベッコウアメでホームページ置いてる人、お気の毒です(別に遅いところはベッコウアメだけに限らないのですが、あそこは大きなサーバーなので何度も出くわす度合いが高く、自然とこっちも覚えてしまうのでしょう)。Bからアクセスすると全然駄目、でもAからはいけるとか、その逆とか、なんかあるような気がします。遅いと、ほんと、10b(=0.01kb)とか信じられない遅さですもんね。だから幾ら早いモデムにしても、交通渋滞に巻き込まれたフェラーリみたいなもんで、意味ないよな気もするのですが。
さらに事態をややこしくしてるのは、同じサーバーによっても時期によって全然ちがうのですね。どこかでサーバー関係者が内部事情を述べておられましたが、プロバイダとしては回線太くしたりして設備投資をするわけですが、これがお金掛かります。お金掛けた分だけお客さんが来てくれればいいです。で、お客さん来ました、ムチャクチャ来ました。そうなると回線パンクで遅くなります。反対に閑古鳥で、お客さん来ません、設備投資失敗です。でも(だからと言うべきか)回線ガラガラ、超高速でサーフィンできたりします。
というわけで、プロバイダが設備投資/経営に失敗してることが実は快適アクセスの原因であるという、非常に残酷というかシニカルな話になったりするとか。「うちのサーバーは快適!」とか喜んでると、噂で人が集まりやがて重くなるかもしれませんし、それどころか喜んでるうちにいつの間にか潰れてしまうかもしれない。だから、もう、こっちも、数ヶ月単位でサーバーも変わっていくくらいでないと対応できないのでしょうか。年間一括前払いなんかすると、あとが恐い。株式投資みたい。
ところで、ホームページ開設半年経過ということで、そろそろ試運転は終わりにして本腰入れてやろうかなあと思ってます。どれだけの「経営効果」があるのかわからないけど、設備投資もしようかなあと(^^)。
なんせ、画像関連が貧弱なので、もっと大胆に入れてもいいかなと。そのためにはデジカメ欲しいなあ、スキャナー欲しいなあ、それ以前にマトモなカメラ欲しいなあ。パソコンも、RAMが16Mではキツイものがあるなあ。ハードディスクも540Mbしかないしなあ。モデムもいつまでも14.4kじゃないだろうなあとか。あれも欲しいこれも欲しいと物欲の権化と化してます。まあ、大した支出でもないのだけど、内容が伴わず、カッコ先行、機材先行というのは、一番カッコ悪いと思ってしまうタチなもんで、「現在の機能でやれることはやったんか?」とか余計なこと思ったりして「自粛」してたわけです。でも、もうそろそろいいかな、と。
大きな理由としては、入れるだけの価値ある画像っつーのもあることに(遅まきながら)気づきつつあります。シドニーというと馬鹿の一つ覚えみたいオペラハウスとかそんなのですが、いや僕もオペラハウス適当に加工してあしらってはいるのですが、なんか、もっと、こうダイレクトに情景を伝えることも出来るのではなかろうかと大それた野望も出てきたりしますね。そのためには機材と腕が必要。それと皆さんの通信環境の整備。画像って別にどうしても無ければ困るものでもないですし、ここに来られる方は、「美しいページ」ではなく、ゴリゴリしたソリッドな情報を求めて来られるのでしょうし、そこらへんの見極めが難しいところでしょうか。ま、ボチボチやっていきましょう。半年ごとのステップアップということで。
向こう半年の視野には入って来にくいでしょうが、先日「PDF」というのを教えてもらいました。軽量に「本をまるごと一冊」そのままのレイアウト、活字、装丁で記憶、表示、印刷、インターネットに表示できる方式で、これ使うと自費出版みたいなものがかなり身近になるのではないか。まあ、DTP自体の苦労は、それはそれとしてあるでしょうが、前述のHTMLの限界は軽くクリアできそうですし、ディストリビューションの苦労も減るかなという気もします(まあ、それはそれで新たな苦労も生まれるのでしょうが)。
実際、HTMLは便利である反面、面倒臭いわ(入り組んだ表なんか書いてたら発狂したくなる)、表示上の不満はすごいあります。一番の不満は、「活字がショボい」ことですね。大きさも7段階もあるくせに、手ごろな大きさというのがない。「この大きさ(サイズ4)」か「この大きさ(サイズ3)」ですもんね。サイズ3.5くらいがベストだと思うのですが、そんなの無い。ブラウザで調節できるにしても、ブラウザの方もいい加減ときている。書体指定もしにくい(フェイスタグを読んでくれるブラウザなら変えられるけど)。
さらに、ちょっと二段組三段組にしようと思ったら、プラモデル組み立てる根気でテーブル(表)にしてやらんとならんわ、テーブルの指定タグの読み込みがまたブラウザによってマチマチだわで、やってらんないです。
なお、PDFについて詳しく知りたい人は、僕も教えて貰いましたが、ここのサイトがあります。
最後に恒例になりました(なってないって)、今回の裏技でありますが、いろいろな裏技を教えてくれる親切なサイトがありまして、「自分のハードディスク内のファイルをブラウザで表示させる」という技があるそうです。でも、これ、ネットスケープだけしか出来ないような気もするのですが(←自信がない)。
やりかたは極めて簡単で、まずノートパッドでも何でもいいから簡単なワープロソフトで「@とにかく一つ文書ファイルをつくる」。別に空白スペース一文字でも、源氏物語全巻でもいいから、内容に関係なく文書ファイルをつくる。で、「AこれをHTML文書として保存する」。「HTML文書として保存」というと大層なことのようですが、全然。ファイルネームの拡張子(ファイルの名前の「.(カンマ)」以降にくるアルファベット3文字程度の文字)を「html」「htm」にしてやるだけでいいです。
※言い忘れておりました。このときのファイルネームですが、「#FILE.HTML」にしてください。
で、「Bそのファイルを、自分のハードディスク内のどこか自分の好きなディレクトリに置く」。移動でもコピーでもなんでもいいです。さて、そこでブラウザを立ち上げ、ブラウザの「ファイルを開く」ボタンで、このファイルが置いてあるディレクトリを探してきて、このファイルを開きます。すると、あら、不思議。そのディレクトリに置いてある全ファイルのタイトルが、ftpサイトのように全部ズララと表示されます。もちろん、上位下位のディレクトリに、クリックひとつで行くこともできます。
話はそれだけのことです。これを使うと何が便利かというと、このディレクトリを開いた状態でブラウザの「ブックマークする」と、ブックマークから簡単に自分のハードディスク内にアクセスしてブラウザ上でファイルを開く事が出来ることです。
そんなことして何が便利なのか?というと、僕が利用している方法は、(1)ホームページのファイルを置いてある自分のハードディスク内のディレクトリに、ブックマークから一発でいけ、直ちにブラウザに表示させることができる。これ便利ですよ。いちいち「ファイルを開く」をクリックして目当のディレクトリまであっちこっち探して廻らなくても、よく使うディレクトリ(一つに限らない)をブックマークで固定しておけば、ワンタッチでいけます。しょっちゅう「あ〜、あそこどうなってたっけな?」で他のファイルを開けたり閉じたりしてる人間としては重宝します。
もう一つの活用は(2)メールボックスをダイレクトに開けれるように、しかもブラウザにメールの内容を表示させることですね。ネットスケープのメーラーの場合、メールボックスのディレクトリは全部で1ファイルになってますから、「○○さんのメール」というディレクトリをブラウザで開けると、全ファイルがどわわと表示されます。普通ならフレーム仕様になって見にくいメールをブラウザ画面で一覧出来るというのがメリットですが、検索キーを使えば一発で(全部で一文書になってるから)、該当箇所を探し出せるメリットがあります。例えば、同じ人と数十回メールのやりとりをしていて、「えっと、いつか住所教えて貰っていたよな」と調べようとしても、いちいち数十通のメール開いては閉じして「これでもない、あれでもない」で探さなければならないところが簡単に済みます。これはデカイですよね。
以上、裏技でした。なお、これがWindows95以外のマシンで作動するかどうかしりませんし、ネットスケープ以外のブラウザでいけるかどうかは未確認です。僕のエクスプローラーの場合、どうも巧くいってくれませんでした。プラグインの関係でしょうか。ご参考になれば。
なお、このことを教えてくれた親切なサイトは、ここです。またここにも様々なヒントがあります。ありがとうございました、と、ここでお礼を言っておきます。
1997年4月6日:田村