4WD エコツアー ポートスティーブンス 1泊2日キャンピング |
イルカの方は年間通じて95%の確率で見られるそうで、私たちもしっかり見ました。イルカさんたちはボートが近づくと嬉しそうに近づいてきて、船のすぐそばで遊んでいきます。
一方、クジラの方は冬のシーズンしか見られないのですが、確率は70〜80%程度とか。ラッキーなことに私たちもクジラ2頭の雄姿を見ることができました。でもね、「野生のクジラに接近してはいけない」という法律があるんだそうで、私たちは200メートル離れたところに停泊していなければならないのです。双眼鏡くらい用意するんだった。まあ、とにかく元気な潮吹きと尾ひれと背ひれを臨ませていただくことはできました。
というわけで、「野生のコアラ、イルカ、くじらに出会える!」というのが、このツアーのウリであるかに思えるけど、実はもっとも感動的なのがキャンプ!!なのでした。いやね、確かに野生のコアラもイルカもクジラも初めて見る人にとっては感動的です。ほんま、感動しましたわ。しかしですね、その野生のコアラ&イルカ&クジラが束になってかかってもかなわないくらい面白いのだわ、キャンプは。
「キャンプなんて不便なばかりで、よほどアウトドア好きの人じゃなきゃ楽しめないんじゃないの?」という向きもおられるでしょうが、いや、これが、すごいイイんです。このよさは行ってみなきゃわからない。だから、オージーブルーツアーズも頑張って広告には「野生のコアラ、イルカ、クジラ」とシツコク書くわけだけど、本当のウリはキャンプだと思いますね、私は。
日本でもアウトドア流行だとかで、かなり本格的にキャンプ生活楽しんでる方もおられるようですが、オージーブルーツアーズが催行するキャンプツアーは、まさに本格派。子供の頃からアウトドアの楽しみかたを知り尽くしているオージーガイド(日本語もペラペラ)にかかったら、不可能が何でも可能になっちゃう。
たとえば、キャンプ場。日本にはキャンプ場というものが存在し、普通はそういうとこでキャンプしますが、オージーブルーツアーズが連れていってくれるのは、ただの野っぱらですわ。一応近くにトイレ(水洗)と屋根はありますが、テントを張る場所は野生のユーカリ林の間にある芝生の上。目の前には美しい内海が広がっています。
この周辺は野生コアラの生息地なので、夜も朝もちょっと林の中を散歩すると、かわいいコアラ君たちが木にしがみついている姿を拝見することができます。もちろん、ポッサム(リスとムササビのアイノコみたいな有袋類動物)もひょこひょこ出てきます。
(右写真の→に子供コアラ発見)
「えっ?!、こんな何にもないとこでキャンプすんの??」と訝りながらも、ガイドさんの指示に従ってシドニーから4WDに積んできた荷物を降ろし、キャンプの準備を始めると・・・あっという間に立派なアウトドアエリアの出来上がり。思わず「キッチン」「リビング」「ベットルーム」と呼んでしまいそうなほど、そこには開放感に満ち満ちた生活の場が創造されているのでした。もちろん、帰る時はチリひとつ残さず元どおりに片づけます。ものの30分ほどでこれらの準備が整ってしまう。もう魔法みたい。
また、日暮れ時の美しさは言葉では言い表せません。そんなわけで、素人撮影したデジカメ画像で観賞ください。(キャンプサイトの目の前にあるビーチから眺めた夕焼け)
キャンプファイアといっても単なる焚き火ですが、これに鉄板をかぶせて料理します。日本で使う飯盒はないけど、この鉄板を利用すれば、バーベキューから茹で野菜まで何でも作れます。特に朝食に食べたジャッフル(ホットサンドのようなもの)は超うまかった。(右写真)
キャンプファイアを囲んで、満点の星を仰ぎながら、ビールなど呑みつつ、みんなで他愛のない話をしていると、身も心も芯からリフレッシュされます。ちょうど冬なので、寒がりの私は寒い夜を心配していたのですが、寒いなんて一度も感じなかった。自然の火の力って、すごいんですね。ひっきりなしにゆらゆら踊る炎を見つめていると、体ホカホカ、心もホクホクしてきます。
そうそう、星はすごかったわ。天の川までクッキリ、本当に手が届きそうなくらい近くに見えます。
写真は撮り損ねたけど、夜8時頃から地元のアボリジニ(オーストラリアの原住民)のハーフであるダレルさんが来てくれて、ディジュリドゥーという民族楽器の演奏法を指導してくれました。最初はぶぅーという情けないオナラのような音しか出なかったけど、次第にコツを掴んで、らしい音が出せるようになりました。
朝はクッカブーラ(笑いかわせみ)のけたたましい笑い声で気持ちよく目を覚ましました。夜中も一度も目覚めず、グッスリ。寝袋って意外とあったかいんだ。早起きして、薪を集めて、火を起こして、暖かい朝食をつくって食べる。なぜかいつもの苦手な朝とは違って、新鮮なんだな、これが。
この辺りは湿地帯なので、砂のビーチを挟んで淡水と塩水に分かれているんだけど、淡水はそのまま飲めるほどキレイなんだと。というわけで、朝からキャンプサイトすぐ前の海で釣りに挑戦。リールの使い方がよく分かってなくて収穫はなかったけど、真剣にやれば何か釣れそう。
キャンプサイトを片づけた後は、昨晩ディジュリドゥーの演奏法を教えてくださったダレルさん再登場。ブーメランの投げかたを教えてくれました。ガイドのクレイグは、ブーメランをあらぬ方向に飛ばしてしまい、ブッシュの中で懸命に探したけど見つからず。少年のようにうなだれる彼に、ダレルは一言「ノーウォーリーズ」。次回からはオージーブルーツアーズ特製のブーメランを持参するそうです。
引き続きダレル先生のレクチャーです。今度はコアラが生息する森でブッシュウォーキングしながら、ブッシュタッカー(アボリジニの人々の食糧)やコアラ保護活動、環境保護活動について説明してくれました。この森には300種に及ぶ植物と、100種類もの野鳥、それに500頭のコアラが生息しているんだそうです。コアラは繊細だからそう簡単に人間の前には現れてくれませんが、私たちはバッチリ見つけました。
さてさて、ブッシュウォーキングが終わると、キャンプサイトともお別れ。一路ポートスティーブンスへ向います。途中、ワイナリーに立ち寄って、ワインの試飲をしてから、ポートスティーブンスの港にある魚屋兼ファーストフード屋さんで、オーストラリア名物フィッシュアンドチップスをテイクアウェイします。
右写真は道端にある「コアラに注意」の標識。コアラは夜行性なので夜になると道路に出てきて、交通事故に遭ってしまうこともあるんです。
ランチの後は、全長30キロにも及ぶビーチ沿いに砂丘が広がるストックトンビーチで、ワイルドに4WD走行を楽しみます。時々車体が重過ぎてタイヤが砂に沈んでしまうんだけど、そういう時はタイヤ圧をゆるめると摩擦が生じてうまく走れるようになるんですね。
この長〜く続くキレイなビーチを17キロほど走ると、忽然と現れる正体不明の物体はなに?。これは20年前に座礁した難破船。今や観光名物化しちゃって、撤去する予定もないらしいです。