今週の1枚(00.10.02)
Olympic の風景(その3/バドミントン編)
引き続き、オリンピックです。
日本ではスデにオリンピック報道も一段落してるでしょうが、このシリーズ、まだまだ続きます。
なんだかんだで結構撮り貯めたし、また普段はあまり見かけないようなシーンが沢山ありますし。
今週は、バドミントンです。大会二日目に行なわれた、ミックスダブルスと女子シングルの予選の模様を。
ね?あんまり普段見かけないでしょ?
実をいうと、僕自身、バドミントンの試合というのを見るのはこれが初めてでありました。
バドミントンは遊びではよくやるのですが、それはもう「西洋羽子板」みたいなもんで、ポ〜ン、、、パシッ、ポ〜ンという悠長なリズムでやってたりするわけです。時々、中学高校でバドミントン部だった奴がいて、「ホントの試合ってこんなもんじゃないんだよ。山なりに放物線を描いて行ったり来たりじゃなくて、ビシッ!とした直線の応酬!」なんて言ってたのを覚えています。
そのときは、「ほお、そんなもんか」でしたが、実際に見てみると(しかも、オリンピックレベルで)、確かにスゴかったです。オリンピックのオフィシャルサイトの競技解説のページを見てみますと、バドミントンというのは、テニスに比べて、一試合合計でも、単位時間あたりでも、遥かに走る距離が長いそうです。「え〜、そうかな?テニスの方が長いんじゃない?」と思うのですが、実際に見ると納得。確かにこの競技、走り回らされます。かなりのスタミナがないと続かない。
それと、速さ。オリンピックということもあるのでしょうが、ウソみたいにシャトルのスピードが速いです。速いときは、1秒の間に、行って帰ってまた行って、、というくらい、バシバシバシと続きます。「なんであんなモンが拾えるんだ?」というくらい。
バドミントンの会場は、Homubushのメイン会場のなかにあるパビリオン3という所でした。
会場の外に、トーナメントの結果が貼り出されています(写真中央)。
僕らは午後の部(ほかにも午前の部と夜の部がある)でありまして、最初はギッシリ詰まっていましたが、徐々に午後の部も終りに近付くと、お目当ての試合が終わったりして徐々に空席が目立つようになり、最後の方はかなりがらがらになっていきました。やっぱり3〜4時間もぶっとーしで見てるのもツライし、他の予定もあるということで観客も減っていくみたいですね。これは柔道もアーチェリーも似たような感じでした。また、夜の部の準決勝とか決勝になると盛り上がるんだろうけど。
だもんで、最初は狭苦しく座っていても段々と楽になってきて、最後の方は勝手にどこでも座れたりします。その甲斐あって、いろんなアングルから写真が撮れたりするわけです。
コートは3面とってありました。3試合同時に進んでいくわけですが、どの試合をメインに注目するか、これが結構難しかったりします。とりあえず一番近いコートに目が行きますが、やっぱり熱いラリーの応酬があったり、緊迫感が漂ってくるとそっちの方に目を奪われます。
ダブルスとシングルスをやってたのですが、やはり二人いるだけに動きも早くて派手なダブルスの方に目がいきがちでありました。
下の右側3枚は、最も白熱していたインドネシア対イギリスの対決。
知らなかったけど、インドネシアってバドミントン強いのですね。うろ覚えで恐縮ですが、たしかかつてインドネシアが獲得したメダル(3個だったかな)は全部バドミントンで取ってるとか。インドネシアでは、水泳も柔道もやらずに、ひたすらバドミントン全試合を中継してたのだろうか?
対するイギリスもかなりネチっこい強さを見せてました。体がデカイのもあるけど、この男子選手がラケット持ってると、なんとなくハエタタキを連想させるような動きで、目の前でパシンとはたき落とすようなモーションが印象的でありました。
このインドネシアの男子選手ですが、プレイが派手なんですね。ジャンピングしてスマッシュするのですが、その瞬間、大きな声で「おうっ」って気合入れるのでやたら目立ってました。実際、この人のスマッシュ、よく決まってました。確かに、シャトルは山なり軌跡ではなく弾丸軌跡でありました。
結局この試合は接戦の末、インドネシアが勝ったのですが、後日最終結果をみると、このインドネシア組も決勝で中国に敗退したようです。中国はメチャクチャ強かったですね。なんせシングルスは男女ともに金と銅を独占、女子ダブルスにいたっては、金銀銅独占。でも、前回のカヌーがヨーロピアンの独壇場だったのに対し、バドミントンはアジア勢が上位を占めてました。
スポーツによって地域的に強かったり弱かったり、体格とか民族の特質とかも関係してるのでしょうが、そのあたりを考えていくのも面白かったりします。それでも、ある国だけ突出してたりもしますから一概に言えませんし。たとえば、卓球などで身体の小柄なアジアが強かったりするのは、なんとなく分かりますが、次回のアーチェリーなんか韓国勢の独占だったり(女子の部は、金銀銅は全部韓国が持っていったり)。
熱戦の模様をもう少し。
サーブの打ち方が珍しかったですね。ダブルスの場合、ライン後方から豪快に打ち込むのではなく、コートの中央で、手首をこねくり廻すようにチョンと打つわけです。この打ち方は、まんま卓球でありまして、おそらくはとんでもなくスピンがかかってたりするのでしょうか?(写真左端) なんせレシーブ側もレベル高いから、軽々と打ち返しちゃうので、どれだけ返しにくいのかよく判らんのですが。
緩急自在といいますか、シャトルの特性もあると思うのですが、一打ごとのシャトルのスピードが全然違う。稲妻のようにピシッときたかと思ったら、急に超スローになってみたり。スマッシュを打っても初速と終速にえらい隔たりがあって、猛烈な勢いでアウトになりそうでも、急に勢いが落ちてコート内に入るという。こんなに速くなったり遅くなったりしたら、ほんと、大変だわ。
サーブはチョコンと静かに打たれるわけで、その瞬間は皆さん彫刻のように微動だにせず立ってるわけですが、次の瞬間、忍者の分身の術みたいに急に動きが激しくなるという。上の大きな写真をごらんになっても判ると思いますが、普通のシャッタースピードでは捉えられなかったりします。上の写真では、女子選手の前に、男子選手が急激に回り込んできているのですが、ほとんど写ってないもんね。
さて、日本選手でありますが、ちゃんと出場しております。たしかバドミントンは種目が多いから、10人内外出てたように思います。
この日、登場したのは、女子シングルスの米倉加奈子選手でありました。フランス代表を相手の一回戦。2-0で快勝しておりました。
ただ可哀相だったのは、隅っこのコートで、しかもシングルは地味なのでダブルスに押され、あまり注目されてなかったことですね。また、相手もそんなに強くなく(って言ったら失礼なのですが)、かなりすんなり勝ててしまって、ラリーもそうそう続かず、それもあってあまり注目されることなく、静々と展開されておりました。
日本からも「大応援団」が駆けつけ、、というには、随分無理がありますが、それでも先週のカヤックに比べれば全然いいですよね。
米倉選手はその後2回戦も突破したようですが3回戦で敗退。他にもう一人出ていた水井 泰子選手はもう一つ先の準々決勝まで行ってます(そこで、優勝した中国選手に敗退)。
写真・文/田村
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