今週の1枚(99.02.08)
New Castleと走るコアラ(その2)
ニューカッスルとコアラ特集、後半です。
先週号を見過ごして「なんでニューカッスルとコアラなんだ?」という方は、こちらをクリックしてください。早い話が、先日ニューカッスルに行ったとき、たまたま訪ねた無料の自然公園のコアラ館のコアラ君達が、いつもは寝てるくせにそのときに限ってやたら元気だったというだけの話です。
これだけだったら愛想なしなので、ここで観光ガイドさんみたいな事でも言いましょう。聞いた話(というか資料)によりますと−−−−−−−
コアラはユーカリの葉を食べますが、約600種のユーカリのうち50種くらいしか食べませんし、さらに個々のコアラは一生の間に5〜6種類のユーカリしか食べないそうです。ピッキー(選り好みの激しい奴)ですね。でも、ほんとユーカリだけ食べて、普段は水も飲みません。たしか「コアラ」というのはアボリジニ語(アボリジニ語も数百ありますが、そのうちの一つでしょう)で「水を飲まない動物」という意味だとか聞いたことがあります。
ユーカリですが、含まれているシネオールという油成分は香料や薬用に使われてます。アロマセラピーのユーカリオイルなんかもその一使途なのでしょう(相棒福島先生のアロマコーナー参照)。コアラはこのユーカリオイル成分も食べてるわけですが、彼らが食べてる量は、同じサイズの動物の致死量の3分の1と言われる量で、普通はこんなもの食べない。なぜコアラは食べられるかと言えば、それを分解できる肝臓機能のおかげだと言われています。
その土地土地のコアラでユーカリの好みも違いますし(関西のコアラは納豆を食わないみたいに)、個々でも好みが分かれます。さらに、週がわり食べるユーカリの種類が違ったりもします。また植物学的に同じユーカリであっても、彼らにとっては美味い・マズいがあるようです。
年中食べてるようですが、体重比でいえば、他の動物の4分の3程度しか摂取してないです。ただ、座ってひたすらモグモグやってる、1日19時間睡眠ということで、そんなにカロリーを消費しないで済むからなのでしょう。
コアラは一生で9回子供を産むといわれてます。年に1回、一匹づつ産みます。赤ちゃんは最初わずか1〜2グラム、人の小指ほどの大きさもありませんが、お母さんの袋のなかで7ヵ月後には約百倍も育ちます。それでも250グラムでしかないですけど。
コアラの子供はご存知のとおりお母さんの背中にしがみついてますが、お母さんの好みのユーカリを自然と覚えてしまいます。コアラ風「おふくろの味」なのでしょう。ただ、常に必ずお母さんコアラの背中だけに乗るかといえば、群れ全体で子育てをするような感じなので、お母さん以外のコアラの背中に乗ったりもするようです。母コアラも、子供が育つにつれ、段々どれが自分の子なのか見分けがつかないというか、気にしなくなるようです。
寝てるときと食べてるときが1日の99%を占めそうなコアラですが、短距離ならば意外と敏捷に走りますし、泳いだりも出来ます。やるときはやるのですね。
ユーカリ食べコアラの図。「今日のはイマイチだな」とか言ってるのでしょうか。
場面変わって再びニューカッスルの風景です。
上は駅の反対側にある小さな港。
オーストラリアは中央が砂漠ですので、町の大部分が海沿いにあります。シドニーも含めて州都もみな海岸沿いの港町です。オーストラリアというと広大な砂漠や自然がイメージにありますが、実際に住んでる感覚でいえば「年柄年中海ばっかり見てる」という感じです。でも地形をよく考えてみれば、日本なんかオーストラリア以上に「年柄年中海ばっか」見てなきゃいけない筈なんですけど。
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