今週の1枚(99.07.19)
グリーブ・マーケットの風景(その1)
今週のお題は、毎週土曜日に行なわれるグリーブマーケットです。
シドニー各地のフリーマーケット情報は、簡単にここにまとめてありますので、興味のある方はご参照ください。
グリーブマーケットについて僕が何となく感じてる印象は、−−お読みになってる方100人中5人くらいしか判らないだろうマイナーな比喩なんですけど−−、「京大西部講堂」です。今はどうなってるのか知りませんが、70年代80年代に関西のインディーズロックなんぞを聴きに足を運んでた方はご存知かと思いますが、あの瓦葺きのアナーキーな建物。客席は湿ったような古畳が所々敷かれ、バスドラがズーンと響くと天井からパラパラと何か降ってくるという。
一回生のときに、「村八分の一回だけの再結成ライブ」とかいうのを見にいきましたが、「こんな人達今までどこに棲息してたんだ」という、気合の入りまくったヒッピーの方々に取り囲まれて、そこかしこで殴り合いの喧嘩やってたりして。結構おっかなかったです。ここ数年でこそ、またあの頃のファッションも回帰してますけど、当時はYMOが出てきたりモノトーンが流行ってたり、そんな中で腰までの長髪でやるというのは半端な根性ではないと思います。僕も長かったけどせいぜい背中の半分くらいまでだったし。
で、グリーブマーケットですが、京大西部講堂をホーフツとさせるカオスを感じさせてくれます。ただ、西部講堂のような殺気はなくて、「ほのぼのアナーキー」「にこにこボヘミアン」というか、それぞれに気合入ってる人もいますが、「気負い」はないのですね。「好きだからやってます、以上」というテライのなさが、ええ感じやねという。
今回と次回の写真を順々に見ていただくとおわかりでしょうが、別に若者や、気合入ってる人だけがいるわけではなく、若いお母さんが乳母車押してたり、家族連れが来てたり、おじーさんが談笑してたり、実にさまざまです。
「オーストラリアでは流行はない」とか「着るものに無頓着になるし、人目が気にならなくなる」とか言われますが、このマーケットに来てしばらく冷やかしていればお分かりになると思います。
ごちゃごちゃ解説するようなものではありませんので、マーケットにいるように、適当に見てってください。
左から二番目の写真の女性、気合入ってますね。後ろ姿ではわからないけど、おねーさんというよりはおばさんで、どうみても40才は軽く越えていた。日本のお母さん達も、ビゲンヘアカラーで黒く染めてるよりも、こういう具合に染めていただけると、明るく楽しい社会がやってくるでしょう(ほんとか)。
写真・文/田村
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