今週の1枚(05.04)
JAPANの風景−妙に懐かしい風景
先週に引き続き、日本に帰省したとき撮りためた写真から。オーストラリアの写真でなくてごめんなさい。
どういうテーマで写真をピックアップしたものか考え込んでいます。ある風景を見て「あ、いい」と思うから写真を撮るわけですけど、なんでいいか?と言われるとうまく説明がつかない場合も多いです。でも、心の中にピピッとくるものがあったりするわけです。
今回は、なんでこんな写真と言われると、うまく説明がつかないけど、でもなんか感じた日本の写真を。日本に住んでおられる方にはピピッとこないかもしれないし、こんなの僕独自のものなのかもしれません。
僕なりの基準でいうと、これらの写真は、海外に住んでいて、無性に日本が懐かしくなったとき、あるいは日本にいる夢をみたとき、いかにも出てきそうな画像イメージなわけです。行ったことないくせに奇妙に懐かしい、「ふるさと」像のようなもの。妙にアルファー波が出てきそうなものです。
写真は、高松市から琴平市に向かう途中の町にて。本場の讃岐うどんを食べに連れていってもらったときのスナップです。
そぼ降る雨のなか、前方に伸びる国道。山並。日本中どの地方にいっても見られる風景です。いかにもどうってこない、メチャクチャありふれているだけに、知らない間に自分の脳髄に焼き付いているのでしょう。それだけにピピッとくるものがあります。こういう風景をオーストラリアで探しても「絶対に」無い、もう逆立ちしても無いです。見たかったら日本に来るしかありません。
下の小さな写真をクリックすると拡大写真が出てきます(それぞれ別のブラウザが立ち上がります)。
同じく讃岐地方の町並。これも、「おお」って思います。黒灰色の瓦屋根、雨に打たれてシミの出ているブロック塀、軽自動車の黄色ナンバー。こういうのが見たくて日本に帰省したようなものです。
山口県宇部新川駅〜宇部駅
ところ変わって、山口県宇部市。宇部新川という町で一泊し、その翌朝のスナップです。
写真左は、早朝の駅前バス停。知らない町の知らないバス停では、掲示されている全ての地名が未知のもの。知らない地名がドドドと書かれているのを見るたびに、ああ、全然知らないこの町にも、沢山の人が生活していて、それなりにいろいろなドラマがあるのだろうなあと思ってしまいます。バス色ともいうべき濃い黄色、ちょっと錆がでているかのようなバス停のポール。いいですね。惜しむらくはちょっとピンボケ。
写真左は宇部新川駅から乗った宇部線の車内にて。ガランとした車内、射し込む朝の光。ルーズソックスなんかどこ吹く風の女子中学生。電車の音がのんびり響いてきそうです。
ところで、これだけ明るいのになぜか車内の電灯がついているというのも日本らしいです(オーストラリアというか西欧系の人は網膜の関係でしょうか、少量の光でも十分明るいようなので、一般にオーストラリアの照明は暗い。レストランのメニューなんか読むのに苦労します)。
写真右は宇部駅のホームにて。静かな午前中。ゆるやかにカーブをして伸びてゆく線路。駅付近にはよく見掛ける鉄道を渡る陸橋。線路際の住宅。背景の山。どこかに一泊旅行をした朝、ホームで電車を待ってるときによく見る風景。
高松玉藻公園(高松城)
高松城の石垣や桜よりも、妙に頭にひっかかったのは、敷地の隅にあった事務所風の建物でした。
写真左は、裏口とおぼしきところ。これもどってことないのですけど、植え込み、木の柱などのたたずまいの他、玄関に止められているミニバイクがイイんですわ。ミニバイク一台あるだけで、リアリティが全然違う。肌身に感じる懐かしさ(こんなこと言って喜んでるのは僕だけなのかもしれない)。
右は、木の桟のガラス戸、畳敷き(見えないですけど)の大広間、向こうに写るしっとりした緑の庭。この涼しげな雰囲気も「いいなあ」と思ってしまいます。
最後は、富士山から下りてくる裾野の道。どこまでも続きそうな静かな山道。これが一番オーストラリアの風景に近いのですが、でも何かが違う。どこが違うのでしょう。やはり植物層(オーストラリアだったらユーカリが生えてる)、そして山の起伏の細かさでしょうか。オーストラリアならもうちょっとのっぺりしているように思います。
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