今週の1枚(99.08.16)
City Rail(1)/土曜の夜11時の電車の風景
今週のお題は電車。シドニーの都市圏近郊の電車をCity Railといいます。
先日夕食に出かけまして、都心のタウンホール駅から自宅近くのArtarmon駅まで電車で帰ったわけですが、そのときにデジカメでパチパチ撮ってました。
上の写真は駅のホーム。看板はオーストラリア名物ベジマイト。ベジマイトはどんなガイドブックにも載ってて多分知ってる人も多いと思います。オーストラリアの納豆というか、「これが食えたらキミもオージー」みたいなノリで語られることが多いですね。野菜を原料にしたペーストでパンに塗って食べるわけで、そりゃ栄養は豊富だと思いますが(オージーの子供はこれを食べさせられるとか)、味がねえ、、、。トーストに桃屋の「ごはんですよ」を塗って食べるような感じというか。でも、こんなん広告したからといって新たに顧客が増えるとも思えないし、食べてる奴は広告しなくたって食べるだろうに、という気もしますが。しかし、”good square meal”ねえ。うーん。
同じ写真、ホームに書かれている「Nightsafe Area」は、ここに停まる客車に乗ると安全だよというシルシ。よく夜の電車は危険だから乗るなと言われたりします。オージーでもそう言う人は結構いますね。夜になったら「バスの方が安全」「タクシーにしなさい」とか。
それでも乗ってる人は乗ってるわけだし、僕も乗りました。要するに何がアカンのかというと、下の写真でもわかるように、こちらの電車は全部二階建て車両なんですね。だから見通しが悪い。車両の中ほどで何が行なわれていてもハタから見えない。だもんで、もし、だーれも乗ってないガランとした車両で、且つこの先も誰も乗ってきそうにないとなると、事実上半ば密室のようになるわけで、そこで強盗のような犯罪が行なわれる、と。一方、バスは車内全部見通しがいいから、下手なこと出来ない。だからバスのほうが安全だよ、と。
逆にいえば皆と一緒にいればそうそう問題はないし、車掌さんと同じ客車だったらいいだろうということで、車掌が乗っている客車にブルーライト(青い灯り)がともされ、その車両が停止するあたりをホームで”Nightsafe Area”と目印をつけているわけですね。下の写真を見てもわかるように、午前11時くらいでも結構混んでます。こういう状況だったら、まあ大丈夫でしょう。ただ、これも、遠くに行くにつれどんどん人が降りて少なくなっていくでしょう。だから、具体的に「何曜日の何時のこのあたりだと大体いつもこのくらい人は乗っている」ということで、大まかなアタリをつけておくといいでしょう。とりあえず自分が住んでる最寄駅だけでも、チェックしておくといいかも(別に乗らなくたって外からホームに入ってくる電車は見えるでしょうし)。
なお、City Railも結構金をかけて私服警官などのパトロールを強化してるとか、よく新聞に出てます。あとバスも乗ってしまえば安全だとはいっても、夜中にボツンと一人でバス待ってるのも結構寂しいもんがあったりするかも(場所によるけど)。
こっちは夜暗いですし(目の構造の関係で、アジア人にとって暗いくらいが西洋人にとっては丁度いいみたいだし)、こっちは背が高くて横幅ある奴が多いしで、慣れないと何見てもビビッたりするかもしれません。そんなときは無理せんとタクシー利用したらいいです。初乗り3ドル、1キロ1ドルだったかな。よほど遠方でもなければ大体1000円〜2000円もあれば着きますから。
タウンホールの駅の風景。この駅、ホームが立体的になっててちょっと複雑なんですね。一つのホームに上にいく階段とさらに下に行く階段があったりして。左から二番目の写真、5、6番ホームはさらに下に降りろという表示がでてますね。
右から二番目のホームの写真、上から釣り下がってる大きな掲示板に駅名がズラリと書かれ、さらに停車駅にランプがつきます。
というわけで電車がきました。
車内の風景です。撮るの結構勇気いったけど(^^*)。結構人が乗ってるでしょ。恐そうな人もいないし。まあ土曜日という事もあるけど。
同じような写真が続きますが、段々時間が経過するにしたがって(写真右にいくにしたがって)、皆さんオネムになっていくのが何となくおかしいですね。
さっきのが二階の写真だとしたら、ここは乗降口付近。一階車両の方も見えますね。
しかしこの時間になると大分新聞紙が散らかったりして、サツバツとしてきますな。
ちなみに、ここで比較のために日本の電車の車内写真を。上は東京地下鉄丸の内線の風景。同じ電車といえば同じだし、違うといえば全然違うし。釣り広告があるとかないとか細かなことよりも、どこがどうと上手く言えないけど、全体の雰囲気が随分違いますよね。日本に帰るといつも感じる違和感なんだけど、風景が華奢というか繊細というか、全体に精密機械みたいな印象を受けます。ゴッツくないのね。
そうこうしてるうちに駅につきました。あ〜、雨降ってる、、、。というわけでここから雨に降られて20分歩いたわけです。傘持ってくればよかった。そうそう、駅に改札があるなんて、ほんの都心周辺か大きな駅くらいです。このArtarmon駅なんか、ホームの中に切符売り場があるくらいです。
以上、もしかしていつかあなたがシドニーに住むようになったら、上の写真の風景なんて、すぐに退屈極まる日常の風景になることでしょう。
写真・文/田村
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