今週の1枚(99.03.15)
99年2月の日本の風景(その2)
帰省時の日本の写真第二弾です。
天の橋立
京都から日本海までの雪道ドライブ、そろそろ福井県に入ります(右)
さらに日本海ぞいに、舞鶴経由で西に進み、日本三景のひとつ天の橋立に辿り着いた頃には、既に夕刻でありました。
天の橋立って、実は行ったことなかったのですけど、行ったことありますか?
日本三景って誰が決めたのでしょうか。絶景というわりには、あまりビジュアルなイメージが湧いてこないのは僕だけでしょうか。他の二つ、松島にせよ、三保の松原にせよ、典型的な画像というのが出てこないです。いま改めて思うに、3つの共通点としては、海岸であること、そして松がアクセントとして機能してるのでしょうか。
天の橋立のイメージも、湾内に細長い地峡があるという程度のものです。多分この地峡部分が非常に珍しく、まるで神様が橋を作ったかのようだから「天の橋立」というのでしょう。自分の中にあるこのイメージの原型はなんなのか?と記憶を辿ってみると、大昔に発行された日本三景の記念切手の図柄のような気がします。
ここで読者の多田さんから貴重な情報をいただきました。日本三景は、「三保の松原の代りに安芸の宮島(厳島神社)じゃないか」ということですが、「え、そうお?そんな気もするが」で調べてみたらそのとおりでした。
しかしこうもあっさり間違えるというのは、僕がアホであるのと同時に、やっぱり「ベスト3」と言いつつもマイナーである証拠なのかもしれません。宮島は行ったことあるけど、「そうかあ?これがベスト3かあ」という気はします。とりあえずなんで富士山が入ってないのかというのも不思議だし。しかし、日本三景選出委員会みたいな所で選ぶというのも面白かもしれませんね。でも、IOCみたいに汚職が横行しそうな気もしますね。で、もっと納得できないところが選ばれたりして。
実際に訪れた印象としては、ただの日本海側の港町だなあという程度のものでした。地峡部分を渡りはじめると、両側に海があるものの、松林が延々と続く静かな散策路といった感じで、「日本三景!!」というようなハデハデしいものではなかったです。でも、雪が残っている静かな松林を歩いているのは、感じ良かったです。
天の橋立は、やはり付近の山に登って全景を見下ろさないとその奇観ぶりは判らないのかもしれません。リフトもありましたが、シーズンオフの夕刻ということもあってか、誰も登ってなかったような。僕らも別に登りませんでしたけど。山の上から、後ろ向きになり、自分の股ごしに逆さにのぞくとどうしたこうしたという言い伝えがあるようです。でも、なんでなんだろ?
これも前掲の多田さんによりますと、股から臨むと、あたかも天に掛かっている橋のように見えるからではないか?という貴重なご指摘がありました。「そんなん逆さに見たら、どんな橋だってそう見えるじゃん」と一瞬思いかけましたが、地峡の両側の海があたかも空のように見えるというのがキモなのでしょうね。なるほどお!よし、今度帰ったらリターンマッチだ。
近くの料理屋さんで「カニ食うぞ」と入ったものの、一杯1万8000円という値段にビビりました(^^*)。まあ本当に好きだったら高くないのでしょうが(冷凍ものじゃないし)、それほどカニが好きでもないので、「ひとり5000円でおまかせってのは出来ますか?」と聞いてそれにしました。十分楽しめる内容でした。「座布団平目」とかいう大きな平目のお造りが肉厚で美味しかったです(全部出たわけじゃないですよ)。重さ12キロと聞いてびっくりしました。シドニーのフィッシュマーケットでも時々買うので魚の重量感覚養われましたが、かなり大きくても2キロくらいですよ。シドニーもいい魚は結構あるのですが、日本のこういう海辺までやってきて食べるとなると、やっぱり違うものがありますって、まあ、雰囲気とかいろいろあるんだろうけど。
湘南海岸
場面はいきなり飛んで湘南海岸です。同じ落日の海ですが、日本海から太平洋に飛びます。
これが暖かい季節だったら、「夕日にむかってバカヤロー」みたいな風情にもなれるのでしょうが、風が強くて寒かった。日本海よりずっと寒かったという。
寒さはともかく、雪の有無やら雰囲気やらかなり趣が違います。ほぼ同じ時期(数日しか違わない)でありつつも、これらが同じ国で、しかもほんの数百キロしか離れていないというのもスゴイですね。シドニーから数百キロ進んだって大差ないもん。恵まれてる国だと思います。
話は全然変りますが、写真には日付を入れてます。僕は写真は全くの素人ですから、そんな美しい写真なんか撮れるわけなく、全ての写真は記録・参考写真としてしか役に立たんだろうと思ってたからです。でも今回被写体に恵まれたのか、初めて「ああ、日付が邪魔臭い」と思ってしまいました。というわけで上の三枚はいろんな方法で日付を消してみました。お絵描きソフトである程度のことは出来るみたいですね。
文・写真:田村
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