今週の1枚(00.01.10)
Glebe Island Bridge(その1)
今週と来週はグリーブ・アイランド・ブリッジです。
ハーバーブリッジに次ぐシドニーの第二の橋として、90年代後半に開通しました。第二の橋にしては、結構地味でありまして、ハーバーブリッジが出来てすぐに「コートハンガー」という愛称が出来たのに比べて、この橋にはまだ愛称が定着してないようです。可哀相だな。オペラハウスのすぐ隣の高級マンション&ホテル、「(眺望を邪魔するので)シドニーで一番憎まれてる建物」ですら、「トースター」という愛称(蔑称?)がすぐに命名されたのいうのに。
94年に僕が来た頃にはまだ作ってまして、橋の両サイドは出来ていて真ん中だけポコッと抜けていました。その真ん中部分を船上クレーンで吊り上げて、そのままカポッとハメこんで建造したわけで、「ほ〜、そうやって作るんか?」と感心した記憶があります。残念ながらその写真はないんですけど。
自分が車に乗るまでは、なんでこんなところに橋が必要なんだろうと思ったものですが、クルマでちょっと行き来すると非常に便利な橋であることがわかります。なんせバルメイン、ライカードをはじめ西部方面の大きなバイパスになります。この橋に乗ってしまえば、あとシティまで3分くらいで着きますが、陸路を迂回してたら片道一車線のグリーブの裏道あたりを通らねばならずえらい騒ぎだったでしょう。
ちなみに、地図によると、この橋の隣にもう一つ橋が並行してかかっています。昔はこれが幹線道路だったのでしょうが、こんなの一体どこにあるのか前から不思議だったのですね。すごく行きにくい場所にありますから。
で、今回グリーブアイランドブリッジを歩いて渡ってみて、はじめて旧橋の存在が確認されました。それが上の写真です。なんと回転橋でありまして、船の通行のために定期的に回転するのだったのですね。しかし、片道一車線しかないし、これでは渋滞するだろうってのは容易に推測がつきます。現在、この旧橋は使用してません。橋のずっと手前で通行止めになってます。道理で見つからなかったわけです。上に登らないと見えないもんね。
先日新聞で読みましたが、この旧橋を取り壊すべきかどうかで地元の自治体で議論になってるそうです。船の便宜を考えれば壊した方がいいだろうし、でも歴史的建造物でもあるし、あるいは生態系の影響がどうのこうのとか。いろんな議論があるようです。
いろんなところから見たグリーブ・アイランド・ブリッジ。
左端:ハーバーブリッジから下りてきて、ダーリングハーバーを通ってくるウェスタン・ディストリビューターからの風景。手前の建物がフィッシュマーケット。
中央左:フィッシュマーケットからの風景。ちなみにここにくるといつもペリカンがいますよ。
中央右:ハーバーブリッジからの風景。手前がロックス。
右端:バルメインからの風景。
車で走ったときのグリーブアイランドブリッジ。
快適なドライブなんですが、写真左のように、夕刻の逆光になるときは、ほんとに眩しいです。
さて、長いことこの橋はどうやったら歩いて渡れるのかナゾでした。北側に歩道がついてるから絶対渡れる筈なんですけど、どこから上ったらいいのかよく分からなかったのですね。で、車を停めて捜そうにも、橋の終端はモロにハイウェイですからかなり離れてからでないと車も停められない。で、いつも走りながら、どこから上るんだろうな?って不思議だったのです。
先日、それが判明しました。
本腰入れて歩いて探そうと試みたのですが、最初橋の北側(シティに向って左側)の上り口を探したところ、どこにもない。そもそも大きな工場とか倉庫とかに阻まれて、橋までいけない。おっかしいな?と思いつつ、仕方無しに橋の右側の歩道をトコトコと歩いていきました。すると、なんとそこが入り口でありました。
写真左:橋に二つのワイヤーを支える大きな柱がありますが、その手前の柱の右手あたりまで、歩いていきます。
中央:するとそこで橋の下をグルッとまわって、橋の左側に出る歩道があったわけです。なるほど、ここから左側に廻るのか。
写真右:グルッとまわって橋の左側にいきます。ちなみに背景に映ってる大きな倉庫の柱みたいなのは、あれは全部絵です。
写真左:というわけで、見事に橋の左側の歩道に到達することができました。
中央:ここまで来ると、グリーブアイランドブリッジは実は公式にはアンザックブリッジというのがわかりました。しかし、誰もアンザックブリッジなんて呼んでないけどな。地図でもそう書いてないし。
橋には関係ないですが、そのときに偶然に(まるで正解に達したご褒美のように)見えた虹です。非常に珍しい虹ですよね。それぞれが反対方向に向ってて、二つの虹が並んでるような。
写真・文/田村
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