今週の1枚(00.03.06)
Artsitic Newtown (その1)
今週からのお題は、Artistlic Newtownということで、”ストリートアート”、早い話が壁の落書きのことですけど、を中心にニュータウンの雰囲気をお伝えします。
シドニーにはあちこちに落書があります。落書きのことを、graffiti (グラフティではなく、グラフィーティとフィーにアクセントがくる)といいますが、Newtownには町のあちこちにグラフィーティがあります。
単なるしょーもない落書きだけだったら、町の雰囲気もスサんでいくわけですが、ニュータウンの場合、落書きの域を越えていて、「作品」というかアートレベルにまでいってる力作も結構見られます。
上の写真はそのなかでも出色の一品。テーマは「音楽礼賛」ということでわりと陳腐ではありますし、写真ではちょっとわかりにくいけど、目のあたりのデッサンが変なのですが、大きさといい迫力といい、結構なレベルであります。大体こんな巨大な壁画、どうやって描いたのだろう?
写真右、壁画の左下隅に、「unauthrised, unfunded, unfinished grffitli : 1988」なんて書いてありますね。描かれてから12年以上経過してるのですが、そのまま消されもせずに残っているのは何故だろう。unauthorisedというところからして壁の持主が描いたというわけでもなさそうですが、ここまで描かれちゃうと消すに消せないのでしょうか。
この作品は、この「今週の一枚」のかなり初期(3年くらい前かな)に、登場した一品です。力作です。しかし、残念ながら今では建物自体が取り壊されて見る事はできません。惜しい作品をなくしました。
このあたりの文字オンリーは、酷評すれば、便所の落書きを大きく描いただけであり、アート性が低く、単なる落書といわれてもしょうがないでしょう。
ただ、メッセージ性が強かったり、機知の富んでたりすると、アートとは別に「文学性」が出てくると思われます。
写真左は、なんかまだ始めたばっかりというか、始めたところでヤになってやめたというか全然作品の体をなしてないでしょう。
写真中央は、おそらく、「オリンピックはforce of peace/平和の力」を「farce of peace/平和の茶番」に置き換えた批判的なシャレなのでしょう。
しかし、これbe動詞でareがきたら次の冠詞 a は不要ではないか?とか、それとも the Olympics は「オリンピック大会」だから単数扱いでいいのか?いや、これはOlympic gamesの意味だろうからやっぱり複数扱いだろう。forceの意味を不可算名詞的に捉えるか(「力」とか)、可算名詞的に捉えるか(「集団」とか)によりますが、a よりも the の方が妥当な気もするけど、なんとなくこれでいいような気もするし、「あれ?」と思ってしまいます。ああ、文法が、、、。
写真右、love life hateと何となく意味深なようで、無内容な気もするし、、未完かしら。
落書のある裏町の雰囲気。
これだけ落書きがあるからさぞかしスサんだ倉庫街かというと、別に普通の住宅地だったりします。
さて、もう少しアート性の強い作品を見てみましょう。
写真左端、文字ともデザインともつかぬ図形が描かれてますが、これ落書きによく使われます。これ昔っからこのパターンが多く、なんかお約束でもあるのでしょうか。
写真中央左、ただの目茶苦茶な落書きになるところを、中央の猫が救っています(^^*)。
写真右端、これコワイです。
これらは表通りのキングストリート。
表通りには無いかというと、別にそんなことはなくてあったりします。表通りの力作はまた後日。
写真左:「graffitli died/落書きは死んだ」という墓(でしょうね)がおもしろいです。f が一個抜けてるけど。
写真中央 : これ、写真では見えにくいですが、魚をモチーフにした奇麗な作品でした。
写真右: 手前の壁は、これは作品というよりは持主の意匠という気もしますが、立体的に仕上げられています。
写真・文/田村
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