今週の1枚(00.07.17)
Randwick(その2)
先週に引き続きRandwick特集です。
今回の特集は読者の方のリクエストもあってやってるのですが、さっそく「懐かしすぎる!」という感動の礼状を戴きました。リクエスト戴くパターンは、「前に住んでたけど今は日本に帰ってる」という場合が多いようです。
そういえば僕も、その昔半年だけこちらに住んで、そのあとビザ待ちで半年ほど日本に帰ってた時期がありましたが、そのとき自分で撮ってたシドニーの写真、とりわけ自分の住んでたあたりの写真を眺めると妙に懐かしさが募ったものです。
結局何が懐かしいのかというと、僕の場合は、あの独特のだだっ広い感じ、スカスカした空間の広がりなのかもしれません。それも、大草原や樹海のような自然系の広がりではなく、ごく普通に住んでる普通の自分の町がだだっぴろいこと。当たり前に民家もあって、別に過疎というわけでなく皆生活してて、バスもタクシーも走ってて、駅もあって、でもだだっぴろい感じ。歩いていて、そこの角を曲がっても誰もいなくて、上を見上げなくても、いつでもちゃんと空が見えてる感じ。
しかし、このだだっ広いところを一人でトコトコ歩いてる感覚というのは、実はその昔にも覚えがあります。
小学校の頃住んでた、川崎市の百合ケ丘という所です。当時(すごい昔で新百合ケ丘の駅もまだ無かった)、小田急不動産が、多摩丘陵地を整地して分譲住宅として売り出した頃の話です。
そこを2キロの道をトコトコ歩いて通学してたわけですが、住宅地だから家屋はみな二階建てどまり、しかもそこら中空き地だらけで、スカッと抜けた空間が沢山ありました。また、丘陵地だから坂が多かった。坂が多いというのは一つのポイントで(シドニーも坂が多いです)、坂の上から遠くまで見渡せるのですね。当時も、坂の上から広大な空き地を見下ろせば、富士山やら丹沢山地まで楽勝でクッキリ見えました。あまりにスカスカだから、当時流行ってた仮面ライダーの撮影地として良く使われてたくらいです。TV見てると、「あ、ここ知ってる」という。
オーストラリアに最初に来たとき、何となく妙に馴染む感じを覚えましたが、そのあたりの相似性が潜在意識的にそう思ったのかもしれません。
ところで僕の住んでた百合ケ丘はどうなっているのかな。最後に見てから、もう20年、いやもっと長い間見てないです。日本に帰ったとき一度訪れてみたいものだと思ってますが、時間がなく果たせないままでいます。このまま一生果たせないような気もするけど、でも、だいぶ変わってしまったんでしょうね。これだけ時間が経つと「懐かしい」とか思うのかな?
Avoca Stにあった、よく見るとカッコいい教会。
さらにAvoca Stを歩き、Alison Rdで左折。
下左:このJAVAという、ジャワ料理の店も安くておいしいですよ。
下中央:クージービーチに続く町並み
写真上:Alison Rd、商店街沿いに歩きます。City方面に続く長い坂を下っていきます。見晴らしがいいです。
裏手の住宅街。南側で、このへんになるとほとんどKingsfordですね。上の大きな写真も、この付近のもの。
写真上左端:こういった「何にもない、人もいない、昼下がりの坂」というオモムキが妙に馴染みます。
その昔オーストラリアに住まわれた方、こんな風景、妙に懐かしくないですか?
写真上右端:遠くは空港を挟んで、ロックデールやサンズスージー(Sans Souciと書いてそう読む)の方まで望めます。
写真・文/田村
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