今週の1枚(00.07.03)
Leichhardt (その4)
しつこくライカードの4回目です。
一つのテーマで4回もやるのは、「賃貸不動産を探そうシリーズ」以外はなく、本来だったらライカードも二回くらいでやめてたと思います。それをなんで長々やるのかというと、「今週の一枚」に対する気持が多少変わったからでしょう。
この「今週の一枚」も連載何回目になるのか、おそらく150回から200回の間くらいだと思いますが、これまで、「いわゆる典型的な絵葉書ショットは避けつつ、写真としておもしろいもの」を選んできました。要するにどことなく「絵になる風景」であったり、あるいは「説明画像」として意義のあるようなものです。
でも、段々それもどうでも良くなってきてます。
ふと気づいたのですが、現地に住んでる僕らが日常的に見てる風景、そのおそらく95%以上は、別に絵にもならないし、説明画像としても意味がないようなものなんじゃないか、と。だったら日頃見てる風景をそのまま切り取ってきた方が、ある意味ではずっとリアルなのではないか、と。
たとえば、今まではライカードというテーマで撮るならば、「いかにもライカードらしい」という写真を意図していたわけですが、逆に段々それが不自然にも思えてくるわけですね。だって、ライカードを歩き回って見える風景の殆どが、実は、ライカードらしくも何ともなかったりするわけですから。ハッキリいえば、別にライカードでなくてもどこでも同じような風景だったりするわけです。前はそういう写真はオミットしてたのですが、最近では、別にそれでいいじゃないかって気になってきてるわけですね。
「いかにも」という写真は、それはそれで良いのですが、一方では全然「いかにも」じゃない写真もあるというのも良いのではないかと。何の変哲もない普通の街角、別に何の特徴もないから説明のしようもないという風景、そういった風景を僕らは現地で日頃から見てるわけです。
そして何の変哲もないような写真の方が、むしろ何かを多くを語り掛けてくるような気がします。じっと見てると、自分がその場に立ってるかのような気がしてきたり、とか。
以下の写真は、特に多くを説明するようなこともなく、とりたてて絵的に優れてるわけでもないですが、どれもこれもライカードの風景であることに間違いありません。
すごく珍しいものが映ってるわけではないのですが、逆にどことなく「自分がそこに住んでて、見慣れたいつも風景を見るともなく見てるような感覚」、何ていうのかな、初めて見るんだけど見慣れてるような感じ、ちょっと気だるいリアリティみたいなものを感じていただければうれしいです。
上の大きな写真は、ショッピングセンターの屋上駐車場から見た町並み。遠くに見える尖塔は、タウンホールと教会。
写真左端 : シティからライカードの横を通ってハーバーフィールドに抜けるバイパス、ついに先日完成しました。
それまでは、ウネウネと細い道を廻ってたのですが。もっともこのバイパスについては、環境等を理由に地元住民の反対が強かったようですが。
ライカードからシティまでは、意外に近いです。
写真中央左 : ライカードも空港への進入航路の下にあり、時折空から爆音が降ってきます。
写真・文/田村
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