今週の1枚(00.06.26)
Leichhardt (その3)
さらに引き続いてライカードです。
といっても、今回は町というより、ライカードにある中古家具屋さんに焦点を当ててみました。
この中古家具屋さん、ユニークなのは教会で営業やってるところです。
その名も 「At the Church」というのですが、教会が営業やってるのか、それとも教会の建物を譲り受けて普通の業者さんがやってるのか、そこらへんは分かりません。
最初は、教会が週末にでも庭先でバザーやってるのかなと思いましたが、下の写真を見てもおわかりのように建物の中は所狭しと家具類が置かれています。したがって教会としては殆ど機能してない(場所がない)わけで、もう専業としてこの建物を使っているのでしょう。向いに奇麗な教会があるから、いつかの時点で引越したのかもしれません。
しかし、この店(といっていいのか)、立地はメチャクチャいいわけで、ノートンStとマリオンStの交差点角。先週特集したライカードの中心地にあります。
そのわりには、あまり商売に熱が入ってる様子もありません。お客さんもチラホラだし、売れてる気配もないし。こんなんでやっていけるのだろうか?まあ、こちらのセカンドハンドの家具屋さんなんて、店なんだか倉庫なんだか判らないような雰囲気なのが当たり前ですが、それを差し引いても建物全部が午睡にまどろんでるようなユル〜い空気が沈殿しています。
大体、この店、アンティークも扱ってることになってますが、どっちかというとアンティークというよりただ古いだけ、アンティークとオンボロの中間みたいな感じです。
でもこういう店が冷やかしで入るには面白かったりするわけですね。で、入ってみました。
外観です。
確かに教会なんですよね。で、写真右端のように、庭先に商品もディスプレイされてるわけですが、「ディスプレイ」というほど魅力的な物があるわけでもなく、価格的にもイマイチ訴求力がないです。普通、こういう目立つところには、「おっ」と思わせる商品が並んでたりするのですが、それどころか単に虫干ししてるんじゃないかとか、下手をすれば粗大ゴミ収集場ではないかとすら思えたりもするわけです。
店内に入ると、家具がうず高く積まれています。
ただ、普通の中古家具屋と違うのは、いろんな小物が沢山置かれていることです。このように小物が並んでいる様子は、ただの中古家具屋というよりはアンティーク屋さんっぽいのですが、しかしその質はアンティークというよりはガラクタに近く、グリーブマーケット等のフリーマーケットで良く見かけるような感じです。
写真中央右、585ドルというのは結構いい値段ですが、この数字よく見ると、最初595ドルと書いて、「あ、ちょっと高いかな」と思い直して、9を8に書き換えた風ですね(^^*)。
写真右端 : 絵画が無造作に置かれているわけですが、手前の絵なんか15ドルでありました。「お、安いじゃん」と思って見たのですが、やっぱり15ドルは15ドルでありました。
さらに、このお店は二階もあったりするわけです。結構広いです。
なんだかこの店をクサしているばかりのようですが、実は結構気にいってます。小一時間くらいたっぷりエンジョイさせていただきました。
何がおもしろいかって、小物の点数が多くて、しかも一点5ドルくらいの遊びで買っても知れてるような値段の物が色々あるのですね。「何か掘り出し物はないかな」って、宝探し気分で遊べるわけです。
また、こちらの人には昔よくあったありふれた物でも、こっちとしては見慣れないものもあったりするわけで、博物館的な面白さもあります。
写真左は、なにかというと、ミンチを作る機械なのでしょうね。「へ〜、買おうかな」とか一瞬思ってしまった。
写真中央、一見スゴそうなセットで、これが純銀だったらとんでもない値段が付くのでしょうが、確か45ドルくらいだったかな。
写真右は正体不明の箱。子供の頃に読んだ「宝島」などに出てくる、「宝物の入っている箱」風ですね。あんなもん物語の中にしか出てこないと思ったら、実は結構あったりするのですね。
写真左は、昔懐かし、マッチボックスシリーズのミニカーです。これ、集めてる人がいたらメチャ掘り出し物かもしれません。箱まで付いてるもん。
今一つレトロになりきれてない扇風機。もうちょい根性入れて古かったら、価値出てくるのになあ、、って気もしますね。
その他イチイチ写真に撮ってませんが、日本だったら完全に粗大ゴミ化するというか、古すぎて既に日本列島に存在しそうもないTVとかもありますし、ステッキがあったり、レコードがあったり、絵を描くときのイーゼル(画架)があったり、飽きないです。
別にこの種の店はライカードの専売特許でもなんでもなく、シティ近辺の古いエリアをマメに探していけば色々あると思います。しかし、この店も、このような一等地で、よくこんな眠たいことやってるよなあ。目と鼻の先で、大々的な再開発をやってて、エリア的にも注目されてホットな筈なんだから、日本だったらエラい騒ぎになってるのでしょうし、地上げ屋の一つも来るでしょう。
でもそんなことしてると、どの町行っても似たり寄ったりになってきて、町がどんどん詰まらなくなる一方だったりもします。だもんで、こういう店は貴重ですよね。マーケティングをバリバリやって、最先端にとんがってるアンテナショップなんかでは全然着いていけないような、予想外の物が転がってておもしろいです。
写真・文/田村
★→APLaCのトップに戻る